第5章 -わがままデート-(二口堅治)
ふと視線を感じ、ハッとして堅治を見ると、ものすごく不機嫌そうにわたしを睨んでいた。
ヤバ…電話長すぎたかな…
「及川さん、じゃあ……っ‼︎ンッ。」
…っ⁈
堅治の手が突然わたしの胸に伸びてきて、思わず声が上擦ってしまう。
『すみれ?』
「い…いえ‼︎」
堅治をジッと睨んだのに、堅治は悪びれもなく、わたしの胸を触る手の動きを止めない。それどころか、堅治は、太腿を触り、Tシャツの裾から、更に奥に手を伸ばしてきた。
「堅…っ‼︎」
思わず声に出してしまい、慌てて口を塞いだけど、時すでに遅し…
『あ〜♡そーゆーことぉ?そうじゃないかなぁって思ってたけど、やっぱりお楽しみ中だったんだー♡』
「ちがっ‼︎あの…‼︎…っ⁈」
『ふ〜ん…妬けちゃうなぁ。及川さんにもおすそ分けしてくれるってコト〜?』
「つーか、おすそ分けってなんスか?ふざけたコト言って、邪魔しないでくれますー?」
わたしがあたふたしていると、堅治にスマホを取られてしまい、堅治はそのまま電話を切ってしまった。
「ちょっ…堅治っ!!勝手に電話切らな……⁈んっ…やっ…」
堅治は何も言わない代わりにいつもより乱暴にわたしに触れ、荒々しいキスをやめてくれない。
気が付けば、さっき終えたばかりなのに、堅治のモノはまた硬くなっていて、わたしの太腿に押し付けられ、そのまま挿入しようと力を入れられる。でも、気持ちが追いついていないわたしは、まったく身体が反応しない。
「堅治っ…‼︎んっ…やっ…ヤダってば‼︎」
わたしが口に出して拒否したからか、堅治は一瞬怯み、わたしはその隙をついて、堅治の下から抜け出した。
「何、急に盛ってるの⁈そういう乱暴なの、キライッ‼︎」
「ふぅん…じゃあ、優しくすればいいのかよ?」
「え…?……っ⁈」
わたしが返事をする前に、堅治の腕の中に引き戻され、さっきとは違う、今度は時間を掛けて、甘く優しいキスをくれ、そのまま、胸をやわやわ触りながら、太腿から奥へと手を伸ばされてしまう。
「ほんとだ♪」
「んっ…やっ…ぁっ…」
「優しくするから…及川さんのトコなんて行くなよ?」
「…っ⁈」
もしかして、ヤキモチ…⁈
でも、堅治は、そう聞く間も与えてくれず、わたしの中に入ってきてしまった。
甘い蕩けるようなキスをしながら。
---End---