第2章 濵田崇裕
濵田センパイを皆は良い人だと言う。
人当たりはいいし、悪口は言わないし
困ってたらすぐ助けてくれる。
顔だってとてもカッコイイ。
だから皆彼を好きになる。
『…っあの、濵田センパッ!』
見かけた姿に声をかけようとしたら、
彼の隣には綺麗な人がいた。
にこにこ可愛く微笑み掛けて、
センパイも嬉しそう
『…また新しい人が出来たんだ』
新しい人が出来たら、
彼は私へ連絡は絶対にしない。
電話をしてもメールをしても
返すことは絶対にない。
気になる人が出来たら
返信がいつもより凄く遅くなる。
「〜、って…大丈夫か?
すっごい泣きそうな顔になっとるけど」
『…のんちゃん』
「また濵ちゃん?もうやめとき
傷つくんはだけなんやで?」
のんちゃんはいつも私を心配してくれる。
だから辛いとき、
傍に居るのはセンパイではなくて
のんちゃんだった。
「笑えへん恋なんてなあ、
大切にしてても苦しいだけやで」
『…でも好きだから』
濵田センパイは、私に言ったの
俺にはお前だけやって、
居場所はお前の隣だけなんやって。
だから、だからね?
『私は大丈夫!ありがとう』
「しゃあなし!俺が笑わしたるから!
ほら早く学校に行くでー!!」