第2章 濵田崇裕
「俺の悪い部分、いい部分、
ぜんぶ知っとるのはちゃんだけやね」
『…ずるいよ、いつもっ…!』
いい人だね、と
それだけだとつまんないと
振られてきた俺。
だけど君だけは、
それだけじゃない俺すらも
好きだと言ってくれて。
『好きなのも、私だけだから』
「ふふ、せやなあ〜」
良い部分も悪い部分も、
君だけすべて知っていてくれたなら
それだけで愛されてる気分になれるから。
お互い好きだと言わなくても
伝わる好きという気持ち。
「ふわあー!バカップルおるぅ!
淳太ぁー!バカップルー!」
「しげうっさいっ!!」
『濵ちゃん、バカップルだって』
「ふふ。困ったなあ?」
"バカップルだなんてなあ?"
ハモった俺らの言葉に、
淳太が不快そうに
眉間にシワを寄せ不機嫌になった
「鬱陶しっ、むかつくー!!」
「ひがみなさんな〜」
「ひがんでへんわ、ぼーけぇ!」
「濵ちゃんみたいな事言うてるで淳太」
良い人止まりなんて冗談やない
俺、ほんまは醜くて悪い男やねんで?
独占欲とか嫉妬心とか、色々と
心の奥にしまい込んでんねん
せやから言うほど良い人を演じんのも、
悪くないなあって思うてるところ
end.
それでも俺のために、
膨れて嫉妬する君を見てたら
そんな醜いところも無くなんねん。
俺って単純やねんなぁ