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俺らと粉モン食べへん?

第1章 中間淳太





お手洗いに、と言って席を立った。


カウンターに座る彼は、
すぐ私に気づいた。


「久しぶりやなあ!」

よっ、と肩を掴まれ引き止められるから
仕方なく振り向くと

前会った時より

すごくかっこよくなっていて。


「まさか関西におるなんてびっくりしたわ」
『戻って来てるなんて聞いてないよ』
「言うてへんもん、東京おらんしさ、お前」

居るなら言うてよ〜と、
可愛くもないのに頬を膨らませる。

ぶりっ子な所は昔と変わらない。



「俺ら幼馴染みなんやし一緒に飲まへん?」
『いま会社の人たちと来てるから無理』
「ええ〜〜〜」
『大毅とはまた今度』


ほんまお願いっ!と

どこかの誰かさんとまったく同じ
お願いの仕方をする彼。


奢ってもらってる分際で、

こっちで飲むからと言うわけにもいかないし…


「なに絡まれてんねんお前は」

ぽんっと頭に置かれた手のひらに、
え、と振り返ると

相変わらずの顔の中間さんが立っていた。



「んぇ?知り合い?」
『あ、社長…さんです』
「あ…ああ!っぽいわあ!」


重岡でーす、と

ヘラヘラ笑いながら自己紹介。


よろしくなと差し出された手のひらを
中間さんは強めに叩いて拒否反応


「…った、え!?なんで!?」

「よろしくなんてせえへんわ、ぼけえ」


行くで、と掴まれた腕。

思わず少しの抵抗を示すと
かなり不機嫌な表情で私を見た




「社長命令」


ずんずん引っ張ってく中間さんの顔は、

どこか悔しそうな顔をしていた






「(元カレの分際で口説いて腹立つねん)」







end.










「しゃちょーさんに何言うたん?」
「も、元カレって嘘ついた」
「…ぷっ、ははははっ、」
「からかってやろうと…」
「それであのザマなら、あれエラい病気やな」
「え?大毅もそれ言う?どこが?何病なの?」
「お前の事が好きすぎる病や」
「ひぃっ…」
「え?それ喜んでんの??」





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