第1章 中間淳太
役立たずと切り捨てたアイツとは違う、
俺は部下を想うことが出来る。
優しさと厳しさ、必要やと思ってる。
甘えなんかやないで?
だから俺はアイツとは違うんや。
「淳太?大丈夫かー?」
カバン片手に重そうな顔して
俺の顔をのぞき込む照史
「ん、ああ、大丈夫」
それでもどこか真反対で、
キラキラ笑うアイツと
無愛想でしかめっ面な俺。
子供っぽく好かれやすいアイツと
大人ぶってクールぶる俺。
だから俺は、
お前なんて要らんねんと
そう切り捨てられた時に思うたんや
こいつは、こいつとは、
やっぱり似てへんねんって
「なあ、照史」
「ん?」
「お腹減ってへん?」
なあ、小瀧。
あの時からお前はどう変わったんや
の事を切り捨てたあの日から、
お前は後悔したか?
罪悪感を感じたんか?
お前がここに来るということを、
未だに伝えられんでおる俺は
偽善者に近い偽善で、
傷つけへんようにって思ってんねん