第1章 中間淳太
淳太くんは忙しい。
コンサートとか収録とか撮影とか
アイドルとしての仕事は
たくさんたくさんある
だから家に帰るのも遅い。
だから彼は連絡がマメだ
私が寂しがらぬようにとの
気遣いだろうけど
無理して電話なんてしたり、
ましてや楽屋に呼んでは
不機嫌になったりするのは
もうやめて欲しい。
『ねえ淳太くん』
だけど最近、私は
わがままを言って遊ぶのにハマってる
淳太くんって金銭感覚ズレてる所が
あるから高いものだって
時々平気な顔して買ったりする。
だから私の冗談が通じない時があって
「んー?」
『この時計、めっちゃ高いでしょ?』
「せやな」
『でも可愛いから欲しいなー』
2種類あって〜なんて、
デザイン可愛いけれど
特別欲しくはない時計をさすと
「たしかに可愛ええなぁ
どっちもに似合うから
俺が買ったる。お揃いでつけようや」
ほら見てみろ。
冗談がまっったく通じないでしょ?
『ほ、ほんとに?』
さすがに私も焦って、
本当に買うのか聞くと
「ええ?が欲しい言うたやん
買ったるけど渡すの遅なるで?
またツアー始まったし。地方行くし」
別にそこ気にしてるわけじゃないんだけどな
『あ、ありがとう…』
本当に彼の金銭感覚が鈍いところ、
どうにかしたい