第1章 中間淳太
初めて見たのは電車の中。
空いてるのに座らんのは
立ってるのが楽やって話してたけど
ほんまは譲ってあげてるからで。
高校も同じやって、嬉しかったなぁ。
学年は俺のが一つ上やけど、
時々見かける君は
友達とよく笑ってるのを知ってる。
明るくて優しくてええ子なんや。
でも可愛く見られたいお年頃。
友達の真似して
スカート短くしてみたり、
髪型アレンジしてみたり。
それでよく生徒指導に怒られとったな
あれは笑ってしまったわ、
ごめんなあ?怒らんといてな。
あ、そうそう
学級委員に立候補したんやてな?
凄いなあ。
いずれは生徒会長かな。
元気ハツラツに発する君やから、
生徒会長も
きっと似合うと思うな。
お昼は持参したお弁当。
毎朝、早起きして作ってるんやてな
俺もそのお弁当欲しいわぁ
いつも食べるメンバーと、
楽しそうに話すんは
決まって恋バナ
女子ってそういうん好きやもんな。
でも俺も気になんねん、
君が誰がタイプで気になっとんのか!
俺やって言われたらどうしようかな
でもそうなったらさ、
きっと運命や。そう思わへん?
けど君は、
『大橋くんと付き合ってんねん』
どこぞの誰か知らない、
オオハシクンと付き合っていた。