第5章 神山智洋
帰りの電車はスカスカ。
だって終電だからね。
寝ちゃってる人達がちらほら。
揺れる電車の中でよく音楽を聴く
貴方を身近に感じていたいから
少し大きめの音量。
家までの道を早足で帰ったら、
着替えとお化粧を落として
朝の残りと少しの料理をして晩ごはん。
明日はお休みだからお風呂は朝に入ろう
休みの前日はよくそう言って、
貴方には【今入りやもう〜】なんて
お風呂場に連れて行かれて。
だから今日もお風呂に浸かった
日付を越えて、
眠気もそろそろやばいのに
こういう日はよくDVDを見た
ベッドの横にもあるから寝転がって
私はそのままよく寝落ちする。
そうすると良い夢を見れるの
貴方に会える夢やで。めっちゃ幸せやろ?
私はこうして独りぼっちで一日を終える。
大丈夫なんて言ってきたけど、
時々、涙がこぼれる
貴方の存在は幻なのだろうかって思う
だからね、朝目覚めるのが
「……、おはよ」
仕事帰りの貴方のキスだったら。
きっと私、幸せなんやろうなぁなんて。
『…帰んの、私より遅いんちゃう…』
「しゃあないやろ、コンサート帰りやから」
『…みんなの神ちゃんやってんな』
「今はの神ちゃんやで?ほら、」
広げた手に包まれる幸せは、
きっと貴方を我慢したご褒美なんだろうな
end.
『最近、濵ちゃんかっこよくなったなぁ』
「そやねん、イケ化しとんねん」
『見いひんうちに照史くん痩せたなあ』
「すぐリバウンドしたけどな」
『神ちゃんはいつも通りよな?』
「ふふ。せやねえ、の前ではね」