第5章 神山智洋
濵ちゃんが早く帰ろうや〜!
と駄々こねて
2人を無理やり連れてったから
結局ふたりきりの教室。
『ご、ごめんなあ。
神山くんも先に帰ってええから』
フッた相手といるなんて
気まづいだろうな
濵ちゃんにはきっと、
淳ちゃん辺りが説教してるやろ
「俺、別にちゃんの事
フってへんからね。」
『へっ!?』
片付けてた手が止まる。
ゆっくり顔を上げると
がっつり視線が神山くんと合う
「照史が言うててん。
告白は男からするもんが普通で、
女の子からさせるの無いわ〜って
だから、俺からしようって決めてたんや
なのに先に告白とかしてくるし…」
淡々と遠回しに告白してくる彼。
だんだんと顔が熱くなる。
「あほの濵ちゃんに感謝やわ」
ね?と微笑んだ神山くんが
私の手を引き抱きしめた
「好きやで、ちゃん」
やっと止まったのにな
また涙がこぼれ出した
end.
その頃の帰り道
「もうー!フラれたのに!」
「空気読めよお前!」
「え!?ふったん!?なんでや!」
「それは俺も思ってん
神ちゃん好きや言うてたからさ」
「神ちゃん告白するって言うたから
てっきり付き合ってたんかと思っとったわ」
「「え?」」
「え?なに、顔怖いよ?」
「勘違いや…」
「うわあ…ややこし過ぎて頭痛い俺」
「え、え、なんかごめんな」
勘違いと勘違いが絡まったお話は
また別の機会に……?