第5章 神山智洋
「そんな泣くなやもう〜。」
『淳ちゃんのせいやで!
当たって砕けろ言うから…
ほんまに砕けてもうたやん私…』
「ほんまに砕けるとか思ってへんかった」
いやぁ、言霊って凄いなあ?
ってヘラヘラ笑う淳ちゃんは
私のお友達。
何故こんなに泣いてるのかと言うと、
告白してフラれてしまったからで
させたのもこいつだ。
脈絡ないなんて分かってた。
ただの友達、女の子の中の1人。
そんな意識なのは分かってた
だから。もう、
『うわぁあんっ…』
「だぁあ、お前は赤ん坊か!」
話せなくなるって分かると、
凄く辛い。
辛すぎて涙が引っ込まない。
「うじうじ悩んで言わんより
言ってハッキリさせた方が
後悔せんでええやんか、なあ?照史」
「せやでぇー?
俺やったら砕けたって
諦めたりせえもんな!ははは〜」
黒板に落書きしてたあっくんは
手に持ってるチョーク振り回して
ドヤ顔で話す。
『あっくんみたく、
私は図々しくないねん…』
「図々し…、ひどない!?」
「まあ。図々しいな、お前は」
「えー!淳太くんまで!?」
「お前らまだ帰ってへんかったん?」
出入口から「はよ帰ろや」と
呼ぶのは濵ちゃん。
その後ろに誰かいる…?
「神ちゃんも一緒やけどええよな?」
濵ちゃんのその一言に、
ペラペラ話してた2人が固まった。
「…ん?なんかアカンかった??」
鈍感であほの濵ちゃんは、
可愛く首をかしげた