第5章 神山智洋
好きになったのも、告白したのも、
ぜんぶ俺から。
照史はよく自分は猪突猛進って言う。
好きになったら一直線、
告白も男からするもんやろって言う
今なら確かにって同感する。
『なあなあ、これ可愛くない?』
「うん、可愛ええなあ」
『あほなん?私ちゃうくて…、』
これ、と指した雑誌に載せてあった、
今流行りのファッション
ってこういうの好きなんやぁ
まあ、何着たって好きやけどな
かわええし似合うと思う
「ええんちゃう」
だから、そうやって言うのに
からは
どうでもええみたいに思われる。
ちゃうで?
ほんまに。
『この前な、藤井くんが
これ似合うって言うてくれてん』
せやから買おうかなあ、
普通のテンションでそう言うから
思わず俺も反射的に「ええんちゃう」って。
だけど数秒経って改めて考えたら
「……え?流星?」
いや。おかしいやん
流星に似合う言われたから
買おうかなって。
『……?
おん、藤井くんやで?』
どうしたん?
って首をかしげる
ああ、可愛ええなあ。もうっ
…じゃなくて。
末期や、重要課題が
の可愛さでズレてってまうわ