第4章 重岡大毅
お隣に越してきたは、
オカン同士、挨拶してた時に
生まれた病院が同じってのを知った時から
俺らはよく互いの家に遊びに
連れてかれては話すようになっていた。
同じ日、同じ誕生日。
運命に感じたのに、
それは容易くいつも壊れてく。
『しげちゃん、好きな人出来てん』
頬を赤らめそう話したは、
1ミリも共感できへん、
恋愛相談を俺にしてきた。
相手は濵田崇裕って奴らしい。
根っからの良い人で、
俺とは真反対なやつだった。
「…ええんちゃう」
子どもじみた独占欲と嫉妬心が、
の前での俺を
醜く変えてしまう
頑張れ、叶うとええな
そんな言葉が出てこなくて
「ごめん、帰るな」
俺は簡単に逃げ出した。
どうしたら良かったんや
俺のこと見てくれっていえば、
は俺の方を見てくれたんか
ぐるぐる渦巻いて、
涙が溢れてこぼれた。