第3章 桐山照史
久しぶり〜と手を振った彼が、
すごい勢いで走って来て抱きついた。
『うおっ、と』
あまりの勢いに倒れそうになりながら
嬉しくて跳ねる彼は
「おねえ会いたかったぁぁ!!」
弟の紫耀。
そして知らない男の子がいる。
「しょー。そいつだれ?」
お兄ちゃんが隣の彼を指すと、
「僕の友達!大橋和也って言うねん!」
「大橋です!」
紫耀はときどき、知らない友達を
いきなり連れてきたりする。
だから私とお兄ちゃんは「誰?」ってなる
前には永瀬くん連れてきたな。
「友達連れて来るんはええけど、
初対面はやめろや、驚くやんか」
「ええやん、おにいのケチ」
「ケチちゃうわ。特にが
一緒におると勘違いするやつおんねん」
「え?誰なん?勘違いするほど
仲良くないやん!なあ?」
「へえ〜さんは彼氏が
いるんですねー!どんな方なんですか?」
『内緒!恥ずかしいから』
「「仲ええし…」」
そしてこれがまた勘違い事件を起こすなんて…