第3章 桐山照史
さすがに我慢の限界。
「おい真鳥!ツラ貸せぇ〜」
「ふははっ、来た〜やっと来た〜」
「やっと来たちゃうねんこのボケ」
ニタニタして女に飢えとんかこいつ。
飢えとるにしても
人のもんに手ぇ出すなや!!
『照史くん見てたなら助けてよ』
なんでこの子めちゃくちゃ冷静なん?
え、ちょっとは焦るやん?
他の男とイチャコラしてた自覚ある?
キミ冗談でも口説かれてた自覚ある?
「ちょっと楽しんでた。ごめんなさい」
『楽しくないでしょバカ。』
「かーわーえー。なあなあデートしよほんま」
『今江くん辺り誘ってください』
私は嫌ですぅ〜
と舌をべーっと出す。
何回口説いたら諦めんねんこの子は
「まとくん〜?はよ行くでぇ?」
真鳥を捜してたのか、
今江が走ってやって来た。
「ここで何してるん〜
すえ達も捜しとったで?」
「ちょっと遊んでた」
「照史くんの彼女で遊んだらあかんよ」
ごめんなさい、
と代わりに謝る今江。
『いえいえ、大丈夫です』
じゃあ行きますねえ?
真鳥に行くで!と声をかける。
「あ。今度僕とラーメン食べいきません?」
美味しいとこ知っとるんです
へへ、と笑って走って行った今江。
「しれっと口説いていくなや」
油断大敵や。
end.