第3章 桐山照史
番組収録。
久しぶりに合うジュニアメンバーに
終わったあともはしゃいでいた
「照史くんいつご飯連れて行ってくれるん」
「いつやろなー」
「どうせ彼女で忙しいから無理やで!じーこ!」
「ええ〜」
俺の彼女の存在は、
関西ジュニア内でも常識みたいに
みんなが当たり前に知ってて
最近やたらイジられる。
『照史くん?スタッフさん呼んでたよ』
少し開いた扉から顔を出して、
控えめな声で俺を呼ぶ。
「あ、おっけー。すぐ行くって言うて」
『はーい』
たったその業務連絡の会話すら、
こいつらには
イチャイチャしてるように見えるらしい。
「もお〜!やめてくださいよ!
家で仲良くしてください照史くん!」
「ただの伝達やん」
「じーこのただのオバチャンやん」
「関西のオバチャンや」
あんまりおるとしつこいから、
さっさと行って用済ましたろって
立ち上がって楽屋を出た。