第3章 桐山照史
まあ、バレンタインデーって
男はソワソワしちゃうよな
当たり前や。チョコ貰いたいもん。
でもモテへん男は期待はあんまりせえへん
せめて義理チョコだけでも…
でも今年は俺はちゃうねん!!
好きな子が出来て、
めちゃくちゃアピールしたから
きっと用意してくれてると思うねん。
…なんて、思ってたのに。
広がるのは俺の友達に囲まれたちゃん
『あ!照史くん!おはよう』
ああ可愛ええ笑顔やなぁ…!
…じゃなくて!!
「なんで小瀧と淳太くん居るん!?」
「ええやん居ったって。なあ?」
「ほんまや。みんなの教室やで」
『クッキー焼いたからあげてたんだよ』
いっぱい焼いたの!なんて
また可愛ええ笑顔で言うてほんまに。
君は罪深い女の子やで
「ぜんぶ俺にちょーだいや!!」
「なんでや!嫌やわアホ」
「でぶ」
「デブちゃう!!」
ケラケラ笑いよって…
ちゃんもわろてるし、
カッコ悪く見えてんちゃう!?
「もう嫌いやお前らぁ…!!」
「ごめんごめん(笑)」
「そんなすぐ泣くなや〜」