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俺らと粉モン食べへん?

第3章 桐山照史






その一連の様子を見ていた私達は
しーんと静まり返っていた


女の人は泣きながら飛び出して行った。




店長は私の視線に気づいたのか、

気まずそうに笑ったあと
こちらに歩み寄ってきた。



「まだおったんや」


見られたなかったなぁ、と

頭を搔く店長。



隣に立ち尽くす重岡に視線を
チラリと移したあと

「気ぃつけて、はよ帰るんやで」


ポンポンと頭を撫でた。


離れていく店長に
私はどこか寂しい気持ちを感じた。




だから思わず私は叫んでいた





『行かないで、』

店長はゆっくり振り向くと、
黙って立ち止まった



『あの、えっと…』



「もう暗なるでー。
俺はここにおるしどこも行かへん」



また明日な〜


と手を振る店長。



「、行こ」



手を引かれお店を出た。



ぐんぐん歩いてく重岡の後ろ姿
どこか怒ってるみたい。



でも何も言えなくて



だから重岡が立ち止まった。



「…好きなんやろ。あの人のこと」

『…』


「俺じゃあかんか」





小さくこぼれた重岡の本音。


ドキドキと高なった鼓動は、



重岡に対してのドキドキか

店長に対してのドキドキか。




私は、俯いて答えることが出来ずにいた













end.




邪魔しちゃ行けないと思いながら。


こんな気持ち、ダメだと分かっていながら。





君を困らせることしか出来ない俺を

どうか許して欲しい。




それでも好きになってしまったら


どうにもできないんやで







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