第3章 桐山照史
『あーーー!何するの!?』
俺から携帯を取り返すと
震えながら携帯を見つめる。
「消しだったんやろ〜?
未練もこれでグッバイやん!」
『はー。さいてー』
途端に落ち込んで机に突っ伏す。
そんな好きなんやったら
ダメ元でも告れば良かったやんか。
それをせえへんかったのに
人のせいにせんといてや
『…私の親友だったの、彼女
だから言えなかった。奪えなかった
私も好きなのって言ったりしたら…
彼女も重岡くんも…困るでしょ?』
「困らしたらええやんか
困らして意識こっち向けたれよ。
そんぐらいできへんのやったらなぁ
この恋はあっさり諦めるのがええで!」
な、と肩を叩くと
は涙ぐんで頷いた。
ヤケ酒だーーー!と
またお酒を頼み始める。
周りもびっくりして止めに入るも
盛り上がってるから便乗する
ケラケラ笑いながら
ほかの人と話している。
でも無理をしてる。
あんなニコニコ笑って
ほんまは辛いくせに
君をください
俺がそう言って慰める立場になっても
君は俺を愛してくれるだろうか
それとも重岡の代わりになるんやろうか。
end.
「ほらもう、ベロベロやんかぁ…」
『あきとくんがぁ〜、いるからだいじょーぶぅ』
「何が大丈夫やあほ。調子乗んな」
えへへへ、と笑いながら。
背中に乗っかってるは
俺にぎゅっと力を入れるから
こっちはドキドキしておかしくなりそうや…