第3章 桐山照史
焼きそばを作って椅子に座ってる、
小瀧くんの所へ運ぶ。
向かい側にはいつの間に来たのか、
お友達で後輩の流星くんがいた
「やっと来たぁ、俺腹減った…」
「焼きそば♩焼きそば♩」
はーやーくっ
と私の持っていた焼きそばを取る。
「ちゃん今年も働いとんの?
俺らと海で遊ぼーやぁ。水着あるんやろ」
『ありません。』
「ええ〜。」
「流星ナンパ失敗したからな、
ちょっと拗ねてんねん、励ましたって」
え、流星くんでも失敗するんだ…
「失敗したんちゃうしぃ〜。
しげに絡まれて邪魔されたんやもん」
ほらあれ、
指をさした先には、
女の子の前で騒ぎまくるしげと
一緒にふざける濱田くんの2人だった。
『珍しいね、2人海なんて来ないでしょ?』
「なんかぁー、バイト決まらんくて
暇になったからついてきた」
「海の家でつかってやってやー
なー!照史ぉ、どうせ人足りんやろ?」
手の空いた照史くんに
話を振ると「ん、?」とキョトン顔。
小瀧くんに手招きされて、
照史くんも濡れた手を拭いて近寄って来る
「まあ、足りんと言えば足りへんけどー
あいつらちゃんと働かへんやんか」
前に1度だけしげと濱田くんが
ここでアルバイトをした事があった。
しげはふざけてお客さんと長話するから
人がはけなくてクレーム入るし、
濱田くんは不器用すぎて物をすぐ壊しちゃうし
だからクビになったって経緯がある。
「じゃ、俺が働く」
「え!流星が!?まじ?」
「人足りへんで困っとるんやろ?
ちゃん居るなら働くー。」
えへへ、と笑う流星くん。