第1章 中間淳太
淳太くんが怒った。
理由を思い返してみるけど、わからない
小瀧くんと連絡先を交換してたから
寝る前に「あした一緒に行こ」って
可愛い絵文字付きのメールが来てた
だから「いいよ」と
私も可愛い絵文字付けて返信した
その翌朝、
いつも淳太くんと途中まで行く私を
普通に迎えに来てくれた。
それも私が家を出る直前に来たもんだから、
扉を開ける淳太くんと
開けるために手を伸ばしかけた私と、
「「うわっ!?」」
ぶつかる所だった。
「え?早ない?」
もう行くん?と
笑いながらそう聞くから
「小瀧くんと一緒に行く約束したの」
そう言うと、途端に不機嫌になる
あ、しまった。
行くって言ってなかったな…
「聞いてへんけど」
案の定、そう言って怒る淳太くん。
「ごめん…忘れてた」
「忘れてたちゃうやろ。」
「そこまで怒らなくてもいいじゃん…」
言うの忘れてたことに、
そこまで怒るなんて思わなかった。
「はアホやから。
コタキクンと居って困らせるやろ」
「困らせないよ!!」
「いつもドジって泣いて困らせてたやん」
「それは…小学生の時の話じゃん…」
何言い返しても、
私の悪口ばかり言う淳太くんに
さすがに腹が立ってしまい、
「俺の話聞いてんのか」
「うるさい!お節介だよ!!
小瀧くん優しいから大丈夫だもん!」
そう言い放って家を飛び出した。