第2章 濵田崇裕
「そんなん俺もやで」
俺の言葉に顔を勢いよく上げて、
えっ、と声を漏らした。
「気づくん遅すぎたってやつや
ええから早く泣きやめや鬱陶しいな」
俺とお前は幼なじみなんかやない。
確かにきっかけは親の付き合い。
チビでめそめそすぐ泣く泣き虫で、
人見知りでオドオドしとる
それでも長く隣にいたのは、
幼なじみなんかそんなククリで
まとめられるような事じゃない
俺がお前をずっと好きやったからなんやで。
お前が淳太に恋をした時も、
フラれたと泣きついてきた時も、
彼女がいると知って泣いてた時も。
俺はお前にしか興味なかったんやで。
これが幼なじみなんて言葉とか関係とかで
片付くやっすい気持ちなん?
『…いっ、つもそう、つめたっ、くて…!
なんっ…で優しく、ないのっ!!』
ひっくひっく言わせながら
必死に文句を言うから
俺はムカついたから抱きしめてやった。
「うっさいねん、いちいち。
淳太が駄目なんやったら俺にしとけよ
それでええやんもう、めんどくせえな」
俺がそう言うと、
もう文句なんか言わずに
小さく小さく うん と頷いた。
end.
いつから好きだったの?
私のどこを好きになったの?
横でニヤニヤ笑って質問攻めするから、
「生まれた時から全部や」
と答えたら
見るからに分かりやすく赤くして照れて
馬鹿じゃないの、と早足になる
「間に受けんなや、嘘やし」
なんてからかうと
『もう嫌いっ』
なんてプンスカ怒るから
女ってめんどくせえな〜って思いながら
仕方なく追いかけるふりして追い越した