第2章 濵田崇裕
小学生のころ、私は関西に来ました。
私より背の高い貴方は
私を見るなり優しく微笑み言いました。
「かわええ子やね、よろしくな」
不安だった私の気持ちを読み取るように
貴方は時間があれば、
よく私の元へ来ては遊んでくれました。
慣れない関西弁と関西の人達との付き合いに
少しだけ戸惑う私のために
間に入って仲良く出来るようにしてくれました
中学生になると貴方と私の差を
思いきり突きつけられました
貴方は凄くカッコよく優しい事を
私以外が知っていました。
だから凄く悔しかったのを覚えています。
理由は分からなかったけれど、
悔しくて悔しくて泣いてしまいました。
優しいあなたはそんな私を見兼ねて、
「大丈夫か?はまちゃんがおるで!」
そう言って泣き止むまで傍に居てくれました。
その時は私は自覚したのです。
貴方のことが好きなのだと
だけど私は知っていました。
この想いは告げるべきではないことを。