第14章 ひっそり育む愛
なんかアホ丸出しの秋ちゃんは放っておいて
まだちょっとむにゃむにゃ言ってる由梨をちょっと揺さぶる
「由梨?ベッドで寝て来な?」
するとゆっくり起き上がりボーっとこちらを見てくる
「んー。……和さんすぐ来ますか?まだ飲みます?」
「どして?」
「飲んでるならここにいます」
「いーよ。先寝てな?」
気を遣ってそう言ってるのかと思ったら
「一緒に居たいです」
あ、そゆことね
「俺片付けとくんでいいっすよ」
小さめに囁いて秋ちゃんが片付け始める
多分由梨は寝ぼけてて秋ちゃんの存在を忘れてて
「一緒にがいいです」
2人きりの時のちょっとだけ甘い由梨になってて
「わかったわかった。んじゃ一緒に寝よ」
立ち上がって両手を引っ張ってやるとちょっとふらつくので支えてあげると嬉しそうな顔をする
「フフッ。」
秋ちゃんの方に視線をやると、まかしとけ。とばかりに片手をあげてふりふりしてるから笑ってしまう
ベッドに横になると
ピタッといつもの様にくっついてきて
直ぐに眠りこける
幸せ供給源ね
それって俺にとっては由梨なんだよなって
ちょっと秋ちゃんの気持ちもわからなくもないなって思った
fin