第14章 ひっそり育む愛
「和さん。俺来週からドラマ撮影で地方なんすよ。だから暫く家空けますね」
半同居状態になってる秋ちゃんに、あー。はいはい。と返事をする
珍しく今日は由梨が先に眠りこけて肩にもたれかかっているのでそっと膝枕にしてあげるといつも自分が使っている毛布を由梨にかけてくれる秋ちゃん
「だから夫婦時間思う存分楽しんで下さいね。俺の所為でしょ?こそこそしちゃうの」
「フフッ。やっぱり気づいてた」
「気づいてたっつか。最初から気づかせてたの間違いじゃないっすか?牽制の意味もあります?」
「そんな独占欲ないよ」
気づかせてたのはあながち間違えではないけど
「なるほど。ちょっとしたスパイスくらいに思ってた感じ?」
「秋ちゃんもフリーな男なだけあるよね」
スパイスか。
そんな風に考えたことなかったけど
確かにこの状況は少し楽しんでたかもしれない
「秋ちゃんも見つかるといーね」
「え?なんすか。突然に」
「フフッ。今が楽しいならそれでいいけど」
そこでもぞもぞ動き出して、和さん?と寝ぼけてるのか寝言なのか由梨に呼ばれる
「んー?何?何?俺が好きだって?言ってくれちゃうの?」
「名前呼ばれただけでしょーに」
呆れ顔の秋ちゃんの言葉にちょっとニヤッとしてしまう
「好き、、、ですよ」
「フフッ。寝言でもそれなの?」
丁寧な言葉で愛を呟く寝ている人の頭を優しく撫でる
「いつもいつも、ありがとうございます」
何故か拝んでくる秋ちゃん
「フハッ。何それ」
「これだからやめられないんですよ、二宮家。和さん。これからもやめないで下さい!遠慮なくいちゃいちゃして下さいね。幸せ供給源なんで」