第13章 秋ちゃん応援企画
「あー。危なかった…前回で学んだんだから!由梨に持たせちゃダメだって!」
「クフフっ。あれは秋ちゃんが悪いのよ。由梨に持たせたこともそうだけど。ちゃんと受け止める準備しとかなきゃ」
反射神経鍛えてね。とつけくわえられる
そう。
前回も由梨に、私半分持つね!と言われて持たせたケーキを何故か何もないところで手を滑らせて丸いケーキが箱の形に、つまり四角いケーキが爆誕した
「もう絶対持たせないっす!ワイン持たせたっていつ割るか心配ですもん」
「仕事で頑張ってる分ね?オフの由梨はふわっふわだから」
時々雪乃さんと現場一緒になる時ちょっと仕事中の由梨を見るけど
普段と違い過ぎて別人かと思うくらいテキパキしてる
「和さんいつ知ったんです?こんな感じなの」
出会いは仕事って聞いてたからちょっと気になった
「うーん、割とはじめからかな?海外ロケの時ね」
「だ、ダメです!その話は!!」
リビングに駆け足できて転けかけながら全力で止めに入って和さんの服の裾をぐいぐい引っ張る由梨
「クフフっ。やっぱりダメだって」
何やらかしたんだ
ちょっと気になったけど
2人の大事な思い出っぽいし
これ以上は野暮かな
「わぁぁ。このケーキ美味しそう!」
「前回のも美味しそうだったの!」
「あ、ごめんなさい」
俺たちの会話に、フフッ。と笑いながらワインを注ぐ和さん
「結婚記念日。おめでとう御座います」
3人で乾杯する
「ありがとう。たいちゃんのおかげでこういうのの大切さに気づいたんだよ。ですよね?」
和さんを見つめて同意を求める由梨に
「そうね。自分達じゃいまだにやる気ないから」
同じく見つめ返す和さん
「俺気ぃつかって当日避けてるのに」
「知ってるよ。だからいつも、今日来ないねって話からそう言えばって寝る前に思い出すんだよ」
ね?と今度は和さんが由梨に同意を求めてそれにうんうん。と頷く由梨
相変わらずのこの空気に
めちゃくちゃ安心するし
幸せも感じる
この理想の夫婦をこれからも許されるまでは見守っていきたいなって思ってる
fin