第7章 偶然のお買い物
それは仕事帰り、スーパーで買い物してる時の出来事
「あれ?由梨ちゃんじゃん!お疲れ」
手を振り振りしながら此方に近づいてくる人物はスラッと背が高くてキャップ帽子を被りマスクをしていた。
全然誰だかわからなくて反応が遅れる
「ん?あそっか!俺だよ!」
そう言って軽くマスクを下げるこの人は相葉さんだった
「あっ!失礼しました!お疲れ様です!」
カートから手を離ししっかりと挨拶するとンフフッと含み笑いをして、仕事帰り?と聞いてきた。
カートの下にキャリーケースを忍ばせているからだろう
「そうです。相葉さんもですか?」
そうだよ。ニノももう家じゃない?と言うので、そうなんですね。と笑顔で返す
「それにしても、本当に知らないんだな。お互いのスケジュール」
カートを押しながら2人で物色しているとそんな事を言われた
「そうですねー。休みの日も前日か当日に知ります」
いつもお互いスケジュールを事前に言わないのでどこで何しているか、何時に帰ってくるか全く知らない私達を相葉さんは、不思議な夫婦だ。と言う
「あ、相葉さん、今日は刺身なんですね」
カゴの中身を盗み見て言うと、今日は刺身がアテ〜。と嬉しそうに言う
二宮家は?と聞かれ、今日はこれです。と見せると、あ、それも良いな。と笑う
「和さんが食べたいなー。と以前言っていたのを思い出して。」
そう言うと、いーなー。愛されてんな。ニノ。と言い出す
その言い方。
ちょっと恥ずかしい。
それに気づかない相葉さんは、あー。俺も結婚したくなっちゃうよなー。とニコニコしていた。
その後、ストック用のつまみの材料やら買い込み袋に移している時に背後からまた相葉さんに話しかけられた。
「ねぇ。ちょっと聞きたいんだけど。…それ。持って帰れるの?」
そんな事を言われハッ。と気づく。
キャリーケースが無ければ何ら問題ない量だが買い物袋二つ。
多分無理だ。
あぁ。
またやってしまった。
タクシー呼ばなきゃ。
そんな事を考えながら携帯を開くと
「送ってこうか?」
救世主が現れた