第4章 ブルーの下着
「…あ、れ?」
和さんのマンションに引っ越してからは仕事も重なり忙しくしていた。
久々に早めに帰れたのでまだ開けていなかった段ボールの整理をしていると捨てたはずのあるものが目についた。
なんで。ここにあるのだろう。
思わずそれを目線まで持ち上げ両手で掲げると背後からクフフッと堪えるような笑い声が聞こえた
咄嗟に掲げていた物を丸め込み手の中に隠し振り向くと今帰ってきたのであろう和さんが立っていた。
おかえりなさい。と言うと、はい。ただいまです。とまだ少し笑いながら荷物を置きソファに腰掛けゲームを開く和さん
「もしかして。…和さんですか?」
私の疑問に、フフッ。うん。と視線はゲームに集中しながら言われた。
なんで?と聞くと、大事でしょ。それ。と言う和さん
「だって。思い出の品じゃない。俺が初めて見た由梨の下着」
笑いながら言う和さん。
絶対今私で遊んでるなこの人。と察する
それでもその言い方にちょっと照れてしまう私は和さんの手のひらで転がされているようなもの。
「で、でも。和さん。…これはもう。」
こんなヨレヨレの下着。もう着れない。
いつ捨てようかとタイミングを逃し続けやっとこの機会に断捨離を果たしたのに和さんのいたずらによって舞い戻ってきてしまった。
「えー。…あ、そしたら今日着て捨てればいんじゃね?」
未だに目をゲームに向けながら真顔で言う和さんに思わず、はい?!と返してしまった
「えっ、…それはどういった理由で、「そりゃ見たいからよ」」
ここにきてまたとんでもないことを言う和さん。
今度はニヤニヤしている。
それじゃ、よろしく!と言ってゲームを置いて立ち上がり風呂場に消えて行った和さん。
言い逃げされて拒否できなかった
仕方なく寝室に持って行き着替えた。
いくらヨレヨレでもやっぱりこの下着は長年使っていた為自分の身体にフィットする。
それでも持った感じはやっぱりクタッとするためやっぱり捨てようと思い脱ごうとした時にガチャっと扉を開けて和さんが入ってきた
思わず腕で身体を隠す私
「はやっ!…和さん。やっぱりこれダメですよ」
ほんとにちゃんと洗ってます?と言いたかったけどそれよりまずこの下着について解決したい。
スタジオでシャワー借りたから。と早かった理由を言い私の頭をポンポンとする和さん