第2章 楓編
それから数日後、嵐の楽屋での出来事
そこにはいつも通り和気あいあいとしてる5人がいていつもとなんら変わりない現場だった。
それでも私は確認したいことがあった。
次々とヘアメイクをしていき最後にニノちゃんのヘアメイクに取り掛かる
あえてわざとそうした。
他の4人は既にスタジオに呼ばれ撮影に向かった
「ねぇ。ニノちゃん。この前のニノちゃんの独り言覚えてる?」
私がそう聞くと、え?…あ、ああ。と直ぐに思い出したのか顔をあげる
「ニノちゃん。…由梨と仲良いの?」
なんで痩せたとかやつれたとか何かあったとかわかんのよ。と思い聞いた
雪乃くんはしょっ中仕事してるからわからなくもないけどニノちゃんは仕事ではあっていないはずだし、実際由梨の異変に気付いたのは雪乃くんとニノちゃんだけだ。
それ以外には由梨の小さなミスなんて誰も気がつかないし体調が悪そうなのも単に働きすぎだと思っているだろう
「ん〜。仲良いか?…どうなんでしょう」
フフッと笑いあげていた視線をゲームに戻すニノちゃん
「なにその曖昧な返事。…ほんっと。ニノちゃんってめんどくさいわぁ。」
私がそう言うとクフフッと吹き出しもうこれ以上はなにも話してくれなかった。
由梨が妊娠している事は自分から伝えると言っていたので私も追求はしないようにした。
それに、これ以上ニノちゃんに何か言ってもまた曖昧に返事されてキーッとなりそうだったし。
由梨に対しての感情は確かにプロポーズしたけど男性的な感情で言ったわけじゃない
恋人でもなく、友達でもない。
もっと新しいような間柄。
それはとても大切な存在で。
もう手放すなんてできなくて。
それでプロポーズした。
断られたけど。
プロポーズした時には一瞬男に戻っても良いと思ったりもしたけど由梨はそれを求めてないのね
それなら私は私のやり方で由梨を支えていこう。
そう思った
fin