第1章 坂田銀時:俺だけを(ギャグ甘裏)完結
「銀さ…ん」
驚いた顔で目を見開き俺を見る
「大丈夫か?…どっか怪我してないか?」
の頭に手を乗せ身体の安否を確認する
声が出せないのかふるふると顔を横に小さく振って返事をする
それが精一杯なのだろう
目に涙をいっぱいためてカタカタと小さく震えだした
その震えを止めてやるかのようにそっと優しく抱きしめた
「そっか。…あ、でもあれか。なんか変なとこ触られたり」
「ダイ…ジョブ……きょ…うは…」
「きょうは…?」
小さくか細い声だったため聞き取りにくくはあったが確かに言った
今日はってどういうことだ
「前にいっぺん触られてんだよ、そいつに」
カチッとマヨネーズ型のライターでくわえた煙草に火をつけたニコチン野郎が言った
「どういうことだ、おい」
を抱きしめたまま
自分でも驚くぐらい低い声が出た
「俺に凄んでも意味ねぇだろ。おい、山崎!そいつお縄にして向こうに止めてあるパトカー乗せとけ!」
「はい!」
ジミーくんがいそいそと顔面グシャグシャなデブ男を縛り始めた
「言ってもいいのか?」
ふぅーっと煙を吐き出し、俺の腕の中にいるに聞いてくる
するとが縦に頭を振るのを確認したニコチン野郎が説明した
どうやら一ヶ月ほど前からはあのデブ男に好意を持たれ付きまとわれていたらしい
最初は団子屋へと常連客として来ていた男
お客と従業員としてだけの関わりだったためもニコニコと接客していたが、何度もデートに誘われ困り果てていたところ、団子屋の女将が出禁にしてしまった
そういえばあんなデブをたまに見かけたような見かけないような
その日からは帰宅途中に付けられているような気がし始めた
振り返っても誰もいない…気のせいなのか?と数日が過ぎたある日のことある事件が起きた
団子屋の帰り道、たまたま知り合いに会ったはそのままご飯を食べに行った
その帰り…夜8時頃突如後ろから現れ、真横へ来たバイク
そこから伸びてきた手がの胸を思いきり鷲掴みにしそのまま逃走したという
被害届を女将付き添いで出した際にわかった
後ろ姿が太った男、車種などその他特徴がデブ男と一致
警察は奴に目をつけていたという流れだった