第3章 坂田銀時:結婚記念日(甘裏)完結
「もう…や…なの」
絞り出された声はひどくか細く
だが、確実に俺の心臓を止めるほどの威力があった
「もう…これ以上
これ以上…好きでいるの、ツラいから…っ」
うっ…ふぅっ
さらに溢れ出る涙
その涙を見つめ、今彼女が言った言葉を脳内で復唱してみる
『好きでいるの、ツラいから…っ』
「って、嫌われたんじゃないのォォォ!!!???」
「ちがっ、嫌うはずない、こんな、こんな好きなのにっ」
「はァァァァァ!!!???じゃ、なんで別れなきゃなんないのォォォ??」
「っく、だ…だって、私ばっかり好きなの、ツラいよ」
「ばっかり?ばっかりってなにィィィ??俺めちゃくちゃのこと好きなんですけどォォォ」
困ったように少し眉を下げる彼女を見てわかった
俺の気持ちは全く伝わっていなかったようだ
「銀時の好き、と私の好きが違う気がして…私は銀時のこと…」
「俺はを愛してる」
「…っ」
目を丸くして心底驚いている様子だ
「なに?俺がこんな言葉言うのがそんなおかしい?」
「えっ、そうじゃなくて…えっとそうなんだけど」
「めちゃくちゃ恥ずいんだけど」
顔が熱くなってくるのが自身でわかるほど俺は羞恥にまみれていた
「うん、顔真っ赤だね」
「うっせェ」
クスクスと笑い揺れる身体を引き寄せる
「だから…別れねェ、ぜってーに」
「うん…ごめんなさい、別れたくない…ごめんなさい」
「も、謝んな」
「うん、私も…私も愛してる銀時」