第3章 坂田銀時:結婚記念日(甘裏)完結
が予約を取ってくれた記念日まで、あと一ヶ月ほど
独身時代からずっと最低限の勤務を貫き通していた彼女が、なぜだか自ら願い出て多く働いているとのことだった
彼女自身からは「最近お店が忙しいの」なんて聞いていたが、あの店に限ってそんなわけがないのはわかっていた
怪しい…疑うわけではないが勤務先の女将に話をこっそり聞いた
先月からやけに出勤日数を増やしている理由がようやくわかった
『結婚記念日』のためだったのだ
は結婚してからも、そのまま団子屋で変わらず働いている
さすがに一人暮らししていた部屋は引き払い、ここ万事屋で暮らしているが仕事は続けたいという彼女の希望だ
おそらく…いや、確実に万事屋の懐事情を察してのことだろう
万事屋の仕事なんて今まで通り、あったりなかったりで暇なことのほうが多い
そんななかでもの稼ぎと節約料理で生活は安泰
おかげで食いぶちには困ることもない
今では家計管理すべてを彼女に任せているため、出費に頭を悩ますこともなくなった
あれ?俺もしかして…
「俺もしかして何もしてないんじゃねェのォォ!?」
「もしかしなくてもそうだろがァァーー!!」
キレのいい新八の鋭いツッコミが入った
「おっせーよ!!あんたおっせーんだよ!!今頃かよ!!」
「なんだよっ!わかってたんなら、もっと早く教えろよ、ぱっつぁん!」
「なに人のせいにしてんですか!!」
「陰険だな!お局様か?その眼鏡をキュピーンと光らせて新人OLに陰湿なイジメをして楽しむお局様なのか!?」
「わけわかんない言い掛かりはやめてくださいよ!!とにかく…」
はぁ〜っと、わざとらしく溜息をつく新八はとんでもないことを抜かしやがった
「とにかく、このままじゃ銀さん…捨てられちゃいますよ」
「え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ーー!?」