第3章 坂田銀時:結婚記念日(甘裏)完結
「だから、温泉」
「…温泉?」
無表情なのは、なんとも思ってないからだったようだ
俺の冷や汗ダラダラな言い訳も、もはやからすると「いつものこと」とでもいったところか
必死に誤魔化したところで彼女には全て見透かされているのだけは間違いないだろう
それはそれでどうなんだ…俺
「そう、温泉行こうかって。…嫌?」
「全っ然!!全然嫌なわけないしー!!むしろ考えてたこと一緒?みたいな。そ、そうそう。俺もさー、温泉なんてイイよなー??なんて考えてたとこなんだよ。そう、そうなんだよ。今まさに目を瞑り考え耽ってたとこ!!良くわかったねー!!ちゃん!!さっすが俺の嫁!!」
「…」
「……」
畳んだ洗濯物を膝に乗せ、俺をじっと見つめている
俺は「あははー、心が糸電話!」なんて意味のわからないことを言いながら目をそらしてしまう
視線が痛い!
さん、視線が痛いです!
そしてなんとも思ってないであろう、無表情が超怖いです!
「銀時」
「っはい!」
「実はもう予約取った」
「へ?」