第1章 坂田銀時:俺だけを(ギャグ甘裏)完結
「スッちゃった?」
「そう、スッてしまって。スッカラカン」
「いつもの…パチンコ…で?」
「そう、いつものパチンコ屋で。イベントやってて絶対勝ちそうだなーって台見つけていい感じにかかってたの。なのにね、全っ然増えねえの!増えそうで増えねえの!ほんっと騙されたわ!何がイベントだよ!他の台もよく見たら大して出てなかったしよぉ。あともうちょいで出そうだなって思って今晩の食費まで突っ込んじゃったよ!ああー!!終わった!俺終わったー!神楽に殺されるよー!マジで!!」
「………」
思い出してまた項垂れてしまった俺
それを無表情で見つめる
「騙されたって、そのこと?」
「そうだよぉ、ちゃ〜ん、どうしよう俺もう駄目だわ〜」
と泣きつく俺に
「そうですね」
「うん、そうなの。神楽をなんとか宥めてくんない?助けて。このままじゃ殺され「殺されて下さい」」
え?空耳?
「あれ?なんか銀さん空耳が」
「駄目ですね、殺されて下さい」
縋り付いていた俺はソロ〜ッとの顔を見上げた
見たこともないほどの『無』だった…
ジロリ…俺を見下しものすごい汚物でも見るかのよう
「人が本気で心配したっていうのに…!?」
ワナワナしている!?のそんな顔見たことない!
「え、あ、ごめん、いや、スイマセン!」
冷や汗をダラダラ垂らしながらとにかく謝る俺にはスクッと立ち上がり
「銀さんが失恋したのかと思って!…せっかく前のあの人から進めたんだから!って思って!…私は!」
と先ほどとは打って変わってみるみるうちに眉をハの字に下げ頬を紅潮させ瞳を潤ませた
「銀さんなんか鼻くそほじりすぎて鼻血多量死しろ!!」
捨て台詞を最後に彼女は走り去ってしまった
「鼻血多量死…??」