第2章 土方十四郎:俺だけを(甘裏)完結
微かに衣擦れの音がし、が着物を握りしめたのが視界に入る
視線が怖い
きっと俺をじっと見つめているであろうの視線から逃れるよう、さらに視線を落とす
が浅く息を呑む音が聞こえた
何か言葉を発しようとしているのがわかる
「…っ…私」
掠れがちな小さな声でが話し出す
そのまま逃げ出してしまうだろうと思っていた俺はの発した声にビクッと肩を震わした
少しの間を開け
静まり返る部屋で振り絞るようにが言った
「っ私…嫌じゃない…です」
まさかの言葉にバッと顔を上げた
「私…嫌じゃ……っ!?」
もう
今度こそ
今度こそ止められねぇ
そんなこと言われたら
止めてやらねぇからな!
の肩と腰に腕を回し、思いきり抱き締めて唇を奪った