第2章 土方十四郎:俺だけを(甘裏)完結
逃さないといった風に両手をつき、じっと見つめる
どうしたらいいのか
どうなっているのか
わけが分からず眉を下げて動かない
俺の出方を見ているのか下手に動いたり話したりはしない
「お前…いい匂いすんな?」
「…え?」
突然何を言い出すのかという顔で目をぱちぱちとさせている
「…煙草クセェ俺とはちげーな」
嫌味な言い方で不敵な笑みを浮かべての耳元へと手をやる
ピクッと体を強張らせながら動かない
抵抗しないのをいいことに髪を耳へかけてやる
隠れていたの耳が顕になる
同じく隠れていた首筋も
耳たぶ
首筋
触れるか触れないか絶妙な指先で順に滑らせ
同じように視線をやる
胸の前で両手を握り固まり続ける
普段の俺では絶対にしないようなことだ
どう対処していいのかわからないのだろう
「…こっからすんのか?匂い…」
「っ!!」
そう言っての首筋へと顔を埋めた