第2章 土方十四郎:俺だけを(甘裏)完結
「なんでこんなことにー!!」
「それはこっちのセリフだろーが!!」
海へと叫ぶへ盛大にツッコむ
「すいません…」
「…チッ」
「っ!?すいません、海に叫んだことなくて他に誰もいないし調子乗ってしまいました。いい歳してホントすいません」
「それは別に構わねぇよ」
「あ、そうですよね。ご心配おかけしてすいません、あと迎えに来てくれてありがとうございます」
「迎えに来ても…あれじゃあ意味ねぇだろ」
顎でしゃくって視線を促した先には故障したパトカーが1台
「急いで出ちまったから、調子わりぃ事に乗っても気付かなかったんだよ…すぐ帰してやれなくてわりぃな」
「謝らないでください!…本当になんてお詫びすればいいか」
「うだうだ言ってても仕方ねぇ。圏外だし…近くに公衆電話か店か何かしらあっだろ」
「そうですね、探してきます!」
「って、お前圏外なんだから勝手に一人で行くなーー!!」
は至って元気だった
何を勘違いしたのか、駅前にいたジジイに聞いたのと全く違う
ただ単に『海』へ来たかっただけ
純粋にそう思っただけだと言う
身投げなんて考えたこともないと驚いていた
まず、パトカーから必死な形相で俺が降りてきた事に驚いていたが…
無理もない
彼女は誰にも行き先を伝えてはいなかったのだ
しかもご丁寧にサイレンを鳴らして真選組がやってきた
御用改めてであるとしか思えなかったのだろう
驚きと不安でいっぱいな顔だった
「はあ〜…ったく、なんにもねぇな…」
「そうですね…あっ!でもほら、あそこ!」
パトカーを海の側に置いたまま歩き出すとある建物が見えてきた
田舎によくある国道沿いのラブホテルだ
国道と行っても全く車が通っていない
「あそこ!あそこで電話借りましょ」
「ばっ!あそこは、あれだ。やめとけ」
「でも…他に何も見当たらないですよ。このままじゃ日も暮れてしまいそうですし」
確かにもう日も傾いてきた
仕方ない、とそのラブホテルへ二人で入ると無人のフロントがあった
パネルには空室が一つ
「ここ…田舎だから誰もいない、自動受付自動精算のとこですね、きっと」
「他、探すぞ」
「土方さん、ここの部屋に電話あるんじゃないですか?」
空室を指さす