第2章 土方十四郎:俺だけを(甘裏)完結
「副長、いいんですか?万事屋の旦那…」
「あ?いいんだよ、もう大体場所はわかった。それよりも屯所へ急げ!」
「はいっ!!」
『三千円』『海』
おそらくが向かった先はあそこだろう
近場の海ではない、遠い海
グダグダうるさい山崎を急がせ屯所へ着くと、俺はすぐ他のパトカーへと乗り換えた
「副長っ!俺は…!?」
「お前は俺が連絡するまで事件関連の書類整理をしとけ。を連れてきたらすぐ終えられるようにな」
そう言い残して返事も聞かず目的の場所へとパトカーを飛ばした
「…間に合ってくれっ!」
そう呟き、の安否を思い走らせた
あの痴漢事件をそんなにも引きずっていたのか
それとも他のことで…
身投げを考えるほど彼女は何かに思い悩んでいたなんて、全く気づかなかった
そんな自分の不甲斐なさ、やりきれなさに歯軋りし遠い遠い海へと向かった