第2章 土方十四郎:俺だけを(甘裏)完結
ものすごいわかりやすく挙動不審になりながら否定する土方
「多串くん、またストーカーしてんのぉ?ゴリラといい、警察っつーもんはなんで女のケツばっか追っ掛け回すのが趣味なんだよ。変態だらけだな、真選組は」
「誰が多串くんだ!誰がストーカーだっっ!!」
「はいはい、動揺してそれ以上瞳孔開くのやめてね。目からビーム出そうだから。サングラス買っといで。普段はビームを抑えて、いざとなったら的なあのやつ買いに行っといで。三千円置いて」
「だああっ!!うっせぇんだよ、さっきから三千円三千円って!!」
「万事屋の旦那はさんの行き先知ってるんですよね?すいませんが教えてくれませんか。実はさんが以前関わった事件について早急に聴取しなくちゃいけないことがあって…」
「あいつに何度か電話したが、珍しくずっと圏外なんだよ」
うーん…と悩み、銀時はある提案をする
「んじゃ、俺も乗せてってくれんなら教えてやってもいいぜ」
ニヤリと笑みを浮かべてニコチン野郎へ提案してやる
「チッ!…乗れっ」
はいはーい、と後ろのドアに手をかけたとき銀時の肩へも誰かが手をかけた
「銀さん!早く行ってやんな!じゃないとあの姉ちゃん、今頃は…海ん中かも…死なせちゃいけねぇ!あんな若さで」
酒で焼けたのかしゃがれた声で話すオッサンにハイハイとあしらう銀時
「っ!?山崎っ!屯所戻れっ!」
「えっ!?は、はいーっ!!」
ブゥーン!と一気に発進しサイレンを鳴らす
《ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!》
緊急事態用のサイレンを鳴り響かせながらパトカーは去っていった
「俺はーーーーーーーーーっ!?」
肩にあるシワシワしたオッサンの手をどけようとしていた銀時
悲しくもそのオッサンの手とつなぐようなかたちで置いていかれた…
「せめて三千円置いてけーーーーっ!!」
「銀さん、あの娘よりも…俺を選んだのか?」
ぎゅっと俺の手を握るオッサン
「んなわけねぇだろぉぉーーーっ!!!」