第1章 坂田銀時:俺だけを(ギャグ甘裏)完結
「……ちゃん?」
「早く!早くどっかやって!!」
早く早くとずっと呟きながら首を締め付けてくる
う、ちょっと苦しいわマジで
「もう居ないから…」
「ほんと?ほんとに?」
「うん、どっか行ったからちょっと離れようか。苦しい」
苦しくてもいい、そのまま落ちたっていい
離れてほしくなんかないし抱きしめ返したい
でもそのまま押し倒してしまいそうな自信がある
そんな自信いらない
そんなことして嫌われたらおしまいだわ
我慢、我慢だぞ俺!銀さんの銀さん!
くぅーー!!
「わ!ごごごめん!ごめんね!苦しかったよね!?」
「あー大丈夫大丈夫。それより…」
「ホントだ!それよりGだよ!安心して飲めない!寝れない!住めない!死ぬ!」
「死にはしないだろ」
「銀さん知らないの?この間ニュースでやってたやつ!女の人が寝起きから鼻の奥がむず痒いから耳鼻科行ったらGが脳の近くまで入り込んでたんだよ!寝てる間に鼻から入って!しかも生きてたんだよ!鼻ん中で!」
「こっわー…何それマジで?」
「ほんとほんと、だから無理だから!探してよお願い!助けて銀さん!」
しょうもないことだけどこうやっては俺に頼ってくれるだけの仲になれた
それが嬉しかった
Gって嘘だけど
たぶんどこにもいないけど
バルコニーのサッシ辺りを見ながら
「あ、なんか動いた気がすんな。あそこか?新聞か雑誌ない?」
「あるあるあるある!これ!これ使って!」
「あいよ、じゃあこの雑誌もう捨てちゃうことなるけどいい?」
「いい、いい!全然大丈夫!そんなのまた買えばいいし使って使って」
「じゃ、は見ないほうがいいからあっち向いてろ」
「はい!」
は素直にズザッとすぐ背中を向けた
スパーーーーン!と、小気味良い音を立てスーパーで貰ったビニール袋へ薄手の雑誌を突っ込んだ
Gを叩いた跡をティッシュでササッと拭き終え(何も汚れてないけど)それもビニール袋へ入れるとすぐに封を結んだ
念のため中身が見えぬようにもう一重ビニール袋を重ねて結び任務完了(Gが見えないようにというかGが入ってないのがバレないように)
「終わったぞー」
「ありがとぉぉぉー銀さんーーー!」
振り返ったはまだ半泣きだった