第11章 《裏》好きなんですけど【斉藤終】
殺気がしたかと思うと、
急に私は後ろへと引かれる。
すると、いつも抱き付いているからこそ分かる大好きな人の香りがした。
終『夏希は渡さない、
夏希は俺のものだZ』
と書いたスケッチブックを見せつけ、
私を片手で抱き寄せる終兄さんがいた。
佐々木「おやおや、これは失礼。
安心してください。私は人のモノはとったりしませんよ。」
そういうと、
信女ちゃんと佐々木さんは私達を新選組へ戻れと追い出された。
信女「…このチャンスを生かすか生かさないかは、夏希次第…。」
そう帰り際に背中を押してくれた信女ちゃん。
私は感謝の気持ちを込め、
そして今までの愛しさを込め、
終兄さんに言いたい事を告げた。
夏希「終兄さん、私ね、
ずっと前から好きだったんだ、終兄さんが。」
終「……!!!」
終兄さんは驚愕していた。
でも、すぐにキリリとした顔になったと思うと、
ふわりと抱き締められた。