第11章 《裏》好きなんですけど【斉藤終】
しばらく他愛もない話をしていると、
佐々木さんと終兄さんがやって来た。
佐々木「おや夏希さん。信女さん。」
夏希「佐々木さん、終兄さん…」
今、終兄さんを想うと胸が痛くなってしまう。
それを見た信女ちゃんは、
佐々木さんになにやら耳打ちをした。
佐々木「…へぇ、なるほど。
信女さん、………」
二人が話している間は、
私達は見つめあっていた。
終兄さんの赤い瞳に釘付けになっていて、気づけば頬が紅潮していた。
それは終兄さんも同じだった。
ーー終兄さんは、私が告白したらどう思う?
困る?怒る?焦る?
私の希望は、喜んでほしい。
佐々木「夏希さん。よければ、お茶でも飲んでいかれますか?」
佐々木さんは私に歩みより、
私の手を取って話始めた。
夏希「あ、あの、佐々木さん…?」
私が困惑している同様、
終兄さんも焦りの色が表情に現れていた。
佐々木「いや、貴女が実に美しい姫だったものですから。」
そう言って佐々木さんは私の手の甲にキスを落とした。
夏希「!!!」
私は初めての経験に顔が赤くなる。
終「…!!」
夏希「佐々木、さん?」
佐々木「今から、私と二人でお茶でもいかがですか?」
すると、後ろから殺気を感じた。