第10章 《裏》今欲しいもの【神威】
後ろから声を掛けられ、恐る恐る振り向くと、
全裸姿の神威がいた。
夏希「かっー…」"神威"と言う前に唇を塞がれ、身動きも取れぬままキスをされた。
神威「ずるいじゃないか、俺をほったらかしにしてこんな楽しいコトしたの?」神威は私の肩の返り血をすくいとった。
夏希「だっ…て」
理由を言おうとしたらまた唇を塞がれた。今度は舌が私の口内を襲っていった。
夏希「ん…っふっ」
神威「一体誰の命令で楽しいコトしたの?」
神威はニコニコ笑顔で問い掛けてきた。
夏希「なッ…どうして…」
どうして私が、誰かに言われてやったと分かるの…?
神威「だって、夏希は誰かに言われなきゃ自分から戦わないじゃない。」
夏希「ーーっ!」
団長にはお見通しだった。
神威「図星みたいだね、じゃあ、誰?」
神威は私を壁際へ寄せて、私を逃げられないようにした。
夏希「…馬董さん、です。」
神威「ふーん、あの馬董が?
じゃあ、気に入られてるんだね、夏希は。」
神威は私の顎を掴んで神威に引き寄せた。
夏希「本当は団長に頼む仕事だったらしいけど…。
団長がいなかったので、代わりに私が。」
そこまでいうと、
神威はふぅと溜め息を付いた。