第10章 《裏》今欲しいもの【神威】
阿伏兎「ぁぁ?馬董サマじゃねぇか。
んで、夏希。話はどうなった?」
阿伏兎さんは少し呼吸が乱れていた。
…走ってきてくれたんだ…。
夏希「実は………………と言うことなので、私一人でいけます。
だから、阿伏兎さんは団長を頼みます。」
そう言って私は船を飛び出した。
やはり、船の回りには無数の天人がいて、
正直邪魔だった。
天人1「ぁぁ?女じゃねーか。」
天人2「こいつも春雨か?」
夏希「…えぇ。私は春雨よ。」
天人1「女だろーと容赦はしねーぞ!
おめぇら!やっちまえ!」
と一斉に殴りかかってきた。
ナメられてなんとなく苛立った私は、
傘を強く握り締めた。
その時私は殺気を放ったようで、天人はビビり出した。
天人「ひっー…」
夏希「女だからと言ってナメないで……ね?」
そう言ってウインクをし、傘一本で天人を薙ぎ倒した。
夏希「思ったより弱いみたい……。
…つまんないなぁ。」
そう文句を溢しながら私は船内に戻ろうとしたのだが、
私の服が返り血でびっしょりな事に気付き、慌て自分の部屋のシャワールームに駆け込んだ。
夏希「返り血を神威に見られたらヤバいからねー…。」
私は温かいお湯で汚れた体を洗っていたー…。
神威「ねぇ夏希。この血はなぁに?
俺の居ないところで何してたの?」