第9章 《裏》大好きな…【吉田松陽】
夏希「ちょ…先生!?」
私は松陽先生に腕を引っ張られ、
そのまま松陽先生の部屋に閉じ込められた。
夏希「松陽先生…?」
私は少し怯んでいた。
いつも優しい松陽先生がこんな恐ろしい笑みを見せるとは…!
松陽「…君のその跡、虫ではありませんよね?」
夏希「は、はい。」
松陽「では、誰に付けられたのですか?
この松下村塾の中ですか?
晋助ですか?小太郎ですか?」
松陽先生に質問攻めされ、私は答えられなくなる。
夏希「ぎ、銀時です…。」
私は、なんとか残った精神で答えた。
だが、まだ松陽先生の怖さは消えなかった。
松陽「では、なぜ付けられたのですか?」
夏希「それは…」
松陽先生を誘惑するためなんて言えないし…。
松陽「銀時と夏希は、そういう関係なんですか?」
夏希「…そういう関係とは?」
そう言うと、
松陽先生は目を見開いた。
松陽「…?君は、この跡の意味を知っていますか?」
夏希「意味?そんなのあるんですか?」
松陽「えっ…。」
さっきまでの怖さが全く無くなり、
松陽先生は間抜けた顔で私を見つめた。
松陽「…では、なぜ付けられたのですか?」
夏希「えっと…。それは…。」
松陽「教えてください、夏希。」
真剣な眼差しで言われて、
私はポロッと理由を溢してしまった。
夏希「私は、私は松陽先生が好きだから…。その気持ちを銀時に言ったら、こうなりました。」