第9章 《裏》大好きな…【吉田松陽】
銀時はいきなりこちらに近付いてきたと思うと、
私の首根に唇を押し当て、
チュウと吸い上げた。
夏希「いっ…!」
銀時「よし、こんなもんだろ。」
そう言って手渡された鏡で首筋を見ると、赤い跡が付いていた。
夏希「なにこれ…!?」
銀時「これで先生がお前をどう思っているか分かる。
じゃあ先生の居る道場行くぞ。」
そう言って銀時は私の手を引っ張った。
道場に着くと、
子供たちが剣道をしていた。
銀時「よし、じゃあ夏希。いつも通り一騎討ちするぞ。」
と銀時は木刀を投げた。
夏希「うん。分かったー。」
そう言って一騎討ちを始めた。
銀時が付けた跡は着物の襟で丁度隠れるので、
見えなかった。
でも、そんな穏やかな空間は休憩時に壊された。
夏希「はぁー…。負けちゃった!」
私はタオルで顔を拭いた
銀時「これで100勝だ…おあいこだぜ夏希!」
私たちは良いライバルとなったようだ。 汗が着物の中で気持ち悪くなっていたため、
少し着物をはだけさせて汗を拭いた。
すると、首筋の赤い跡が見えるようになってしまった。
少しタオルで拭いていると、
急に腕を掴まれた。
夏希「きゃっ…」
松陽「夏希。ちょっと来てください。」
松陽先生はニコニコしているが声が怖かった。
チラリと銀時を見ると真顔でガッツポーズをしていた。