第22章 《裏》愛してください【吉田松陽】
誰かの泣き声で目を覚ます。
私の視界には、木々が広がっていた。
そうか、私は斬られてー…。
そこで、気がつく。
私の手を誰かがしっかりと握っている。その手は、震えていた。
夏希「銀…時…。」
銀時はハッと顔を上げて私を見つめた。
銀時「ごめん…。ごめん夏希。」
銀時は俯きながら震えていた
夏希「銀時、泣いてるの??」
銀時「……っ」
夏希「銀時の、せいじゃないよ。」
そう言って私は銀時の頬を撫でた。
銀時「夏希………。」
私は、銀時に抱き締められた。
こんな小さな子供が、ひときわ大きい大人に見えてしまった。
松陽「夏希!!銀時!!」
夏希「松陽さん…。」
松陽「!?夏希!?どうしたのです!?」
夏希「ごめ…なさ…。銀時は…悪く…な…い…」
そう言って、また私は意識を手放してしまった。