第1章 待ったなし。
「はいはい。帰るって」
やっとか。
乱れまくった髪を整えながら、笑顔でお見送りをする。ああ、なんて清々しい。
「じゃあね。永遠に、さようなら」
と、にっこりと笑顔で。点数をつけようものなら、百点とは言わず、百二十点。いや、点数なんてつけられない!というくらいの満面の笑みを顔に貼り付け、手を振る。
「んー、また明日ー」
「いやだから、永遠にさようならだってば!」
という私の張り上げた声も虚しく、ばたんと閉じられたドアによって遮られる。
「…………」
これが私の変わらない日常。
私がどれだけきつい言葉で返そうとも、あいつは毎日飽きずに来る。
「…………なんて迷惑な」