第10章 番外
友達で我慢していたあの頃とは違う。
目を開ければいつだって涼太くんがいる。
私の隣にいる。
涼太くんは知らないでしょう?
私はずっと貴方が好きだった。
授業中に居眠りする涼太くんの姿を、誰にも知られないようにこっそり見ていた。
体育の授業で応援してくれた時は、飛び上がりそうになるほど嬉しかった。
普段から愛用している、なんてことはないシュシュなのに、涼太くんに可愛いと言われただけで特別な物に感じた。
一緒に聴いたラブソングにどきどきして変に意識したり、いつもより近い距離に照れたり、隣の席が私にとって大切な場所になってた。
ずっと隣の席から涼太くんを見てきた。
その想いが、今、報われる。
「ね、名前」
「ん?なぁに?」
「幸せになろう、二人で」
告白してくれた時も、涼太くんは似たような事を言ってくれたよね。