第4章 04
自分をセーブする為にも茶化してみせる事が必要だった訳だが、対して君はしっかりしろ受験生なんて言ってまた笑った。
高めの声で笑う苗字さんの笑顔はやっぱり可愛くて、好きだなって再確認した。
帰宅途中、苗字さんとまた同じクラスになれたと上機嫌で黒子にメールを送った。
この喜びを誰かに伝えたくて仕方がなかった。
おめでとうございますと簡潔な一言が返ってきて、黒子らしさに笑みが零れて、同時に幸せを噛み締めてまた笑った。
クラスが被っただけでこんなに幸せな気分になるものなのかとまるで他人事のように思ったが、嬉しい気持ちが勝って幸せなら何でもよく思えた。
いい一年が始まりそうだが、今でも友人関係を保ったままの臆病な俺は告白するのを未だに渋っていた。
今が幸せならそれでいいなんて逃げている意気地のない、俺。