第8章 夢うつつ(おそ松)
「えっとぉ…… ゆいちゃんはいつから俺の行動を見ていたのかなぁ??」
リビングの床にあぐらをかくおそ松くんと向かい合って、なんとなく居心地の悪さを感じながら正座する私に彼が問いかける。
「いつからって…おそ松くんがテレビ観てる時に帰ってきたんだけど…」
「は?じゃあ声かけてよぉ……」
「ちゃんとただいまって言ったよ!でもおそ松くんがテレビに夢中になってて気付いてくんなかったんじゃん…」
「………じゃあさぁ… 俺が…その…おしっこしてるとことかさぁ………シコ松してるとこも全部見ちゃったわけ?」
私の返答から少し間を置いて、おそ松くんは消え入りそうな声で上目遣いに尋ねてくる。
「……うん… ごめんなさい…見ちゃいけないと思ったんだけど、目が離せなくなっちゃった…
だって…おそ松くんが気持ち良さそうで…すごく色っぽくて…」
「…っ!!」
謝ったあとで、おそるおそるおそ松くんの顔を見てみた…
彼はさっき自分自身を慰めていた時と同じ目をして私を見つめ返してくれている…
「……俺、そういうの恥ずかしいの…もうこの場から消えちゃいたい……でも…すっげぇエロい気分になってきちゃった……」
それは私も同じ。いつもと違うおそ松くんの姿を覗いた時から。
ごくり…… と彼の唾を飲み込む音が響く…
「あっち行かない?」
彼の指差す部屋のドアを開け、縺れるようにふたりしてベッドに倒れ込んだ。